氣比神宮

参る

ひょんなことから義弟一家の里帰りに同行する機会に恵まれ、人生で二度目の往訪となった福井県敦賀市。
といっても一度目は電車の待ち時間に立ち寄った程度で、同所を目的地としたのは今回が初めて。

ならばご挨拶へと向かった先は、市街の北東部に鎮座する越前国一宮・氣比神宮。
大きな道路の交差点に面した悠然とそびえる朱塗りの大鳥居は、
厳島神社(広島県)と春日大社(奈良県)と並ぶ日本三大木造大鳥居の一つ。
古来より北陸道の要所を守護してきた神宮だけあって、その存在感と威圧感はさすがの一言。

気比大社大鳥居02

森の緑と青空を背景に、大鳥居の朱色が映えてとても美しい。

交差点

大鳥居の前には大きな交差点が広がっている。

大鳥居をくぐると、すぐ左手に猿田彦神社の鳥居が現れる。
「みちひらき」の神の想定外の登場に奇妙な因縁を感じながらも、ひとまず拝殿へ歩みを進める。
しばらくすると見慣れた手水舎と「気比の長命水」なる水汲み場を発見。

長命水

帰りに空のペットボトルへ注がせてもらった。

亀の口から注がれる水は、同社の造営中に湧き出てきた霊水で、
年の初めに一口飲めば一年を健康で過ごせるという言い伝えがあるそう。
もちろん年の初めではないが一口飲んでみる。
たしかにやわらかい口当たりで身体に良さそうな気がした。

外拝殿

外拝殿。参拝者はこの前で祈りを捧げる。

手水舎で手と口を清めて二の鳥居をくぐると、シンメトリーが美しい拝殿が目の前に現れる。
主祭神の伊奢沙別命(いざさわけのみこと)は謎の多い神様で、この氣比神宮でのみ祀られている神様。
御食津大神(みけつおおかみ)とも称され、その御名にあるとおり食物を司る神様である。

ほかにご本殿には、仲哀天皇(たらしなかつひこのみこと)、神功皇后(おきながたらしひめのみこと)の二柱と
四社の宮の総社宮に応神天皇(ほんだわけのみこと)、東殿宮に日本武尊(やまとたけるのみこと)、
平殿宮に玉妃命(たまひめのみこと)、西殿宮に武内宿禰命(たけのうちのすくねのみこと)の計七柱が祀られている。
いずれも神功皇后を中心としたゆかりの神々で、主祭神・伊奢沙別命との関わりの深さが窺い知れる。

また、摂末社にお祀りされている神様も多く、摂社として境内の西には御子神等関係の神々をお祀りする社「九社之宮」が祀られ、
末社として内宮(天照皇大神/あまてらすおおみかみ)と外宮(豊受大神/とようけのおおかみ)まで勧請奉祀されている。

九社之宮

九社之宮。御子神様だけでなく、主祭神の荒魂(あらみたま)や素盞嗚尊(すさのおのみこと)も。

摂末社01

外宮と内宮。

さらに境内の東端部には摂社として角鹿神社(都怒我阿羅斯等命/つぬがあらしとのみこと)、
末社として大神下前神社(大己貴命/おおなむちのみこと)、兒宮(伊弉諾尊/いざなみのみこと)の3社、
西端部には先出の猿田彦神社(猿田彦命/さるたひこのみこと)が祀られており、
これほど多く名のしれた神々の摂末社を連ねることができる主祭神・伊奢沙別命とは何者なのか興味の尽きないところ。

角鹿神社

角鹿神社。松尾大神が合祀されている。

大神下前神社

大神下前神社。稲荷神と金刀比羅神が合祀されている。

兒宮

兒宮。子育て・小児の守護神として信仰されている。

猿田彦神社

猿田彦神社。大鳥居の近くにて気比神を案内するという。

ひととおり参拝が終わったあとは、いつものごとく御朱印をいただきに社務所へ。
この日はお盆の最中だったからか家族連れの参拝者が多く、お守りや御札を授かりにくる人が絶え間なかった。

社務所

社務所。巫女さんが可愛かった。

広い境内はどこもとてもすがすがしく、参拝が終わってもしばらくぼーっと過ごしていたくなるほど。
巨大な旗掲松やユーカリの大木が生育するのも、そんな清爽な氣に満ちているからかもしれない。

旗掲松

二の鳥居前に立つ旗掲松。延元元年(1336年)、宮司・気比氏治氏によるもの。

ユーカリ

昭和11年(1936年)に陸軍関係者から献木されたユーカリ。敦賀市指定天然記念物。

男神特有の豪胆さと懐の深さを感じさせる落ち着いた雰囲気が心地いい氣比神宮。
できれば来年の夏、もう一度参りたい。

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