『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

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いったい誰に薦めてもらったか、もう忘れてしまった。
そのぐらい、読んだのが昔かというとそうでもない。
おそらく2015年の秋ぐらい。
なぜなら本ブログに投稿するため、
画像だけを先にアップしたのが
ちゃんと記録に残っているからだ。

東野圭吾/著:角川書店

それから間もなくブログの更新を中断し、
現在に至っているわけで…。
理由はそれこそどうでもいい話だけど、
そろそろまた復活しようかとデータを探っていたら
前述の画像を発見した…というわけである。

結局、誰に薦めてもらったかは思い出せないが、
話の内容は今も心に強く残っている。

東野圭吾といえば、湯川先生のガリレオシリーズや
『卒業』からはじまった加賀恭一郎シリーズに代表される
殺人事件を発端にした人間ドラマの名手だが、
実は科学的に説明のつかないファンタジックで
ハートウォーミングなお話も意外に少なくない。

なかでも同書は、あの『容疑者Xの献身』『白夜行』
『麒麟の翼』『さまよう刃』といった
悲しく重く深い愛がズシンと心を打つ著作群に
引けを取らない“泣ける”作品の一つ。

物語は、強盗を働いた3人組が一時身を潜めるために
とある“あばらや”に逃げ込むところから始まる。
そこはかつて、いろんな人の悩みの相談に乗っていた
“ナミヤ雑貨店”という不思議なお店だった…。

舞い込んでくる悩みの相談に映し出される人間模様が、
いくつもの因果関係となって絡み、重なり、つながりをもって
いつしか3人組を巻き込んで帰結する。
稀代のストーリーテラーと呼ばれる著者ならではの
まさに奇蹟と呼ぶにふさわしい名作。

あまりにも緻密にプロットが練られているせいか
少しでもあらすじを話そうものならネタバレしかねない。
それだけ東野圭吾の手が込んでいるといっていいだろう。

いつもの重苦しく切ない東野作品とは一線を画す
珍しくポジティブで清々しい著書ともいえる。

落ち込んだとき、明日が辛くなったとき、
人を信じられなくなったとき、ぜひとも手にしてほしい。

ちなみに同書の映画化が2017年9月23日に公開される。
すでに舞台化もされているようだが、
できれば実写版を観るまえに、一読をオススメする。
活字だけが与えてくれる、もう一つの奇蹟を感じるために。

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