真っ先に目に入ってくる帯紙のコピー。
重い、重すぎる。もちろん質量のことではない(たしかに分厚いけれど)。
とても信頼のおける読書家(友人)の薦めがなかったら、
おそらくボクは見て見ないフリをしていただろう。
あまりの重さにページをめくる手が遅くなることが、
これまでにも度々あったから(何度もいうが質量のことではない)。
一気に最後まで読ませる筆力とは、こういうことを言うのかもしれない。
章ごとに登場人物の視点が入れ替わり、時系列に進む物語。
そのすべては、かつての少年犯と親しくなった主人公が出す“答え”に向かっている。
読み手は次第に「自分なら…」という考えを模索することになり、
いずれ明らかにされる一つの“答え”と照らし合わせざるを得なくなる。
ちなみに、ボクならどうするだろう…という問いに、
読み終えた今も答えは出せていない。