御祭神は、言わずと知れた平安時代の学者で政治家でもあった菅原道真公。
菅公をお祀りするこうした神社は全国各地に数多く点在し、
なかでも有名なのが福岡の太宰府、京都の北野、山口の防府、そしてここ大阪天満宮である。
浪速っ子からは「天神さん」と親しみを込めて呼称され、
幾度もの火災に遭いながらも大阪市中の氏子や崇敬者の尽力により今日に至る。
境内には梅の花を好んだ生前の菅公にちなみ、
たくさんの梅の木が植えられ、花の見頃には一段と賑わいを増す。
そして毎年2月、この境内に日本全国の梅酒が集まり「天満天神梅酒大会」が催される。
2006年よりはじまった同大会も今年で第8回目。
出店銘柄は梅酒部門210種類、リキュール部門116種類。なんと計326種類の試飲ができてしまう。
簡単な流れは次のとおり。
前売券もしくは当日券を購入し、ひととおり試飲した後、チケット付属の投票券に
「うまい!」と思った銘柄の番号をそれぞれ5つ記入。
後日、最終審査が行われ、本年の日本一が決定する。

日にち指定ありの予約型「ファストパスチケット(公式パンフレット付)」(1,000円)、日にち指定無しの「前売券」(600円)、会場で購入できる「当日券」(700円)。ファストパスチケットなら並ばず待ち時間もなくスムーズに入場できる。
わざわざお金を払ってまで…なんて思っていると大間違い。
多少の人混みと待ち時間が気にならないなら、これだけの数の梅酒の利酒ができるチャンスはそうそうない。
ただし、全部の梅酒を試飲をするつもりで行くと、いろんな意味で覚悟のいることになるため、
「話の種に…」なんて気軽なキモチで参加してみるのがオススメ(投票の厳密性や公平性に欠けるけど)。
とにもかくにも、とびきり甘かったり、とってもすっぱかったり、どろっとしてたり、フルーティだったり、
さわやかだったり、濃厚だったり…210種もあって一度として同じ味がないことに驚くばかり。
梅酒一つでこれほど多様な味が出せることに、日本の酒蔵の底力を見た気がした。
さてさて、まだまだ語り足りない大阪天満宮。
今回は「天満天神梅酒大会」のことに始終したが、そもそも天神さんは逸話が多く、一度に全部は大変難しい。
一千年の歴史を誇る祭典、日本三大祭の一つ「天神祭」は夏に持ち越すとして、
御霊信仰や御使の牛などについては、いずれ登場する「太宰府」「北野」「防府」のときにでも。
最後に菅公が詠んだ有名な梅の歌を。
「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」