宝厳寺(竹生島)

参る

年に一度参詣することにしている「竹生島」。
かれこれ4年目になる今年は、
3年に及ぶ40代の大厄を無事乗り切ることができた
厄抜けの感謝と巡礼の旅。

それもあってか少しばかり前のめりで
カメラ片手に朝早く家を出てみたものの、
最寄り駅に着くなりポツポツと雨が降り始めた。

雨男の能力を遺憾なく発揮する己に半ば呆れ、
雨具を持参してこなかった己の迂闊さに凹みつつ、
これも琵琶湖に宿る竜王の禊ぎの雨だと言い聞かせ、
早くもくじかれた旅の出鼻を慌てて整える。

しかし、約2時間後に降り立った近江今津駅でも
雨はまだやむ気配もなく、逆に激しさを増していた。
これはまずい…と最寄りのコンビニへ駆け込み、
ビニール傘を買って、いつものフェリー乗り場へ。

乗り場には意外に大勢の人が列をなしていた。
いつもなら見かけることのない若いカップルや家族連れも多い。
都久夫須麻神社や八大竜王拝所
数年にわたる改修工事が今年の春にようやく終わったことと、
竹生島を舞台にした映画『偉大なる、しゅららぼん』が公開されたことが
多少影響してのことかも知れない。

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竹生島全景

9時40分、やってきたフェリーに乗り込んで出発。
ここから約20分の船旅になる。
その最中、ちょうど竹生島が見えてきたあたりで
にわかに空が明るくなり、突然、雨がやんだ。
あまりにも出来過ぎた自然の演出に
「禊が終わったんだ」なんて勝手な解釈でひとり得心してみたり。

そんなこんなで1年ぶりの竹生島(入島料400円)。
いつもどおり長くて急な石段を登って宝厳寺へ。
(先に都久夫須麻神社や八大竜王拝所へ行くなら長い石段は登らなくてもいい)

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宝厳寺(本堂)

木々の緑の中に朱い色が映える本堂は、
別名・弁財天堂とも呼ばれ、
ご本尊の弁財天がお祀りされている。

実は、宮島の大願寺、江ノ島の江島神社に並ぶ
日本三大弁財天の一つと称されている同寺。
(※天川村の天河大弁財天社が含まれたりすることも)
聖武天皇の夢枕に立った天照大御神のお告げをきっかけに創建され、
戦国期の浅井家や豊臣家との関わりも深い。

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本堂拝所

本堂は拝所(後陣)の両脇にそれぞれ前立本尊が配され、
正面の内陣中央のお厨子の中に秘仏のご本尊が安置されている。
ご開帳は60年に一度で、次回はまだまだ先の2037年。
宝厳寺の公式サイトに用意されている「バーチャル拝観」では、
一般公開されていない内陣の様子をうかがうことができる。

拝所の中でもとりわけ目を引くのが、無数に並ぶ赤い小さなダルマ。
琵琶を持ちながら微笑む弁天様の表情が愛らしい。
願い事を書いた紙をその中に収めて奉納れば、
丸1年もの間、ここで祈願してくれるという。

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弁財天坐像(前立本尊)

一方、撮影の許可をいただいた拝所の前立本尊。
しなやかに伸びる八臂の腕のそれぞれに武器や宝具を持ち
頭上に構えた鳥居の中に翁の顔をした人頭蛇身の宇賀神を配するお姿は、
ヒンドゥー教シャークタ派系のサラスヴァティーにうかがえる軍神的な要素と
日本の神仏習合による龍神・蛇神の背景を見事に併せ持ち、
いわゆる七福神の弁天様とは異なる容貌がなかなか刺激的で神々しい。

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三重の塔

本堂を出て、しばらく進むと見えるのが
平成12年に復元された三重の塔。
江戸時代に焼失して以来、約350年ぶりの姿はまだ新しく、
青空とのコントラストがとても美しい。

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宝物殿

隣接する宝物殿では、同寺に関わりのある
国宝や文化財が多数収蔵されており、
湖国ならではの希少な宝物を拝観することができる(大人500円)。

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国宝「唐門」

その先へ歩みを進めると現れるのが「唐門」。
京都東山の豊国廟にあった「極楽門」を移築したもので、
豊臣秀吉の建てた大坂城唯一の遺構ともいわれている。
唐門をくぐると千手観世音菩薩をご本尊とする
西国三十三所の第三十番の札所・観音堂へ(撮影不可)。
その観音堂と先の都久夫須麻神社をつなぐ渡り廊下が、
太閤秀吉のご座船(日本丸)の船櫓を利用した舟廊下となる。

これら「唐門」「観音堂」「舟廊下」は昨年の9月より
屋根の吹き替え、漆の塗り替え、彩色復元の工事が行われており、
すべての修復を終えるのは平成30年の予定。
※舟廊下の通行は可能

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かわらけ(2枚1組300円)

さて、宝巌寺の境内はひとまずここまで。
今春、修理を終えたばかりの都久夫須麻神社は
来年の「まいる」で紹介したいと思う。

ちなみにこの日、八大竜王拝所で行った「かわらけ投げ」は
昨年に続き二皿とも鳥居の中を無事通り抜けた。
その手慣れたスローイングの様子もいつか動画で。

最後に、ビニール傘をどこかでなくしたことを追記しておく。。。

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