ある初夏のある昼下がり。
『きょうのごはん』(太田垣晴子/著:ダ・ヴィンチブックス)を読んで、がぜんその気になってしまった愚か者がひとり、
買い込んできた「らっきょう」を前に腰を下ろすと、「漬ける。漬けてやる。漬け込んでやるぜぇ!」という固い決意を胸に「塩漬けらっきょう」づくりを開始した。
まずは、らっきょうについている泥を簡単に洗い落とし、水気を切ってザルにあけ、おもむろに新聞紙をスタンバイ。
さあ、ここからが地獄のはじまりだった。
一つひとつ、らっきょうの薄皮一枚をていねいに剥いでいく。
これがまあ、想像以上に途方もなく面倒なのだ。
さきほどの固い決意がないと、ほんの3分で簡単に心が折れるほど。
よほど忘れたい悩みでもないとやってられーん、なんて思っても後には退けない。
始めたからにはやり遂げねば…と、それはもう不退転の覚悟で格闘すること数時間(数十分で終わると思っていた)。
ようやくすべての薄皮剥ぎが完了。
(このとき、ちょろちょろ出てる根も一緒にとっておくべし!)
次に、また一つひとつ適当に茎を包丁でカットしていく。
これがまたとてつもなく単純な作業。
まあ、薄皮剥ぎをクリアした忍耐強い人なら大丈夫だろう。
(このあたりは『きょうのごはん』とはちょっと違う)
あとは、ピカピカツルツルになったらっきょうをビンに入れ、水と酢(2:1)をひたひたにまるまで注ぎ、最後に塩(らっきょう重量の一割)と鷹の爪(4~5本)をスローイン。
水面に隙間なくラップを敷き、密封して暗所で保管すると約二週間後には「塩漬けらっきょう」が出来上がり!
(↑苦労したわりにすぐに報われない)
ただし、食べる時は根の付け根(固い所)をカットすること。
(漬ける前にカットしないのは、塩がまわりすぎないようにするため)
ポリポリとした小気味いい触感と軽く塩味のきいた味わいが酒のあてにピッタリ。
さらに、カレーライスに添えたい甘酢漬けがほしい人は、付け根をカットした塩漬けらっきょうを甘酢(酢2:砂糖1)に漬けなおせばOK。
(↑コレもめちゃうま)
地獄のような薄皮剥ぎを乗り越えてまでする価値はもちろんアリ。
あまりに美味しくて、ついついらっきょうの分量を多くしてしまい、
さらに地獄の時間が長くなるのがちとツライ。。。