『化物語』

ミステリを主なジャンルとして、小説全般を扱う文芸誌『メフィスト』。
出版後の印税が賞金という未発表の小説を対象としたメフィスト賞(新人賞)の選考や発表が誌上で行われ、
これまで森博嗣『すべてがFになる』、清涼院流水『コズミック 世紀末探偵神話』、乾くるみ『Jの神話』、
浦賀和宏『記憶の果て』などのいつくもの名作を世に送り出している。

そんな『メフィスト』に連載されたということで、読んでみたのがこの作品。
いやそもそものきっかけは、かつての同僚で年下の友人にオススメされたアニメだった。

化物語02

西尾維新/著:講談社BOX

よくあるちょっとエッチなハーレム系のアニメだろうと高をくくっていたらとんでもなく、
なかなか細部まで作りこまれていて、物語を構成する要素も骨太で魅力的だった。
思わず原作を調べると同名のタイトルで同誌に連載されていたと知り、こうして手に取ることに。

さて、概ねこういったカタチで手にした本は、
やっぱりアニメと違って云々となることが少なくないのだが、
同書に関しては驚くほどほとんど同じ。いや、むしろアニメよりもテンポが早い。

そこそこ厚めのページが、軽快にさくさくとめくられていく。
読みやすいといってしまっては身も蓋もないが、
いわゆる一人称で書かれたそれには「地の文」がほとんどない。
つまり、9割ほどが会話文(主人公たちのセリフ)で構成されているのだ。
あたかもドラマや舞台の台本のように、もっと言えば、
まるでTRPGのリプレイを読んでいるかのように、怪異な物語は小気味良く進んでいく。

田舎に住む高校生の阿良々木暦(あららぎこよみ)が個性的な少女たちと出会い、
自身と彼女らが遭遇する怪異を解決していく物語。
登場するキャラクターの多くが色んな意味で人間離れしているものの、
とても人間臭くウエッティーで、かつ精神的な危うさを秘めている。

作風もやはりメフィストらしく、毛色はまったく違うものの森博嗣、清涼院流水、
京極夏彦を彷彿させる筆致で、熱心なファンをつくる要素をいくつも持ちあわせている。
パチンコにまで展開されているというから、マルチメディアポテンシャルは相当なもので、
そのあたりはいささかマニアックな先達より、綿密に考えられているのかもしれない。

ともあれ、いつの間にかこんなスタイルの作品が世に出ていたとはつゆ知らず。
この場をかりて、同作品のアニメをすすめてくれた友人に感謝したい。

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2015年9月17日

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